ブライアン・W・オールディス / 地球の長い午後 を読了。読んだり放置したりを繰り返しようやく。人類衰退後の終末世界の小説。名作だけあって、良いところもある。しかし、悪いところ、というか、あまり好きでないところもある。

  • 良いところ
    • 題名。素晴らしい。響きが良い。本文でその意味を知ってなるほどと思った。
    • 植物だらけという世界観。というか、特に、陸地がベンガルボダイジュで覆われているところ。
    • かつての人類の繁栄の秘密(ねたばれするので詳しくは書かない)。無理はあるかもしれないが、面白い設定だと思う。
  • 好きでないところ
    • 登場人物にあまり魅力を感じない。
    • 「植物ばかり」って言ってるけど、出てくる奇怪な植物はむしろ動物っぽい。もっと植物らしい特徴を活かして欲しかった。もしくはわざわざ「植物ばかり」って言わなきゃ良いんじゃないか。読んでてこれはずっと不満だったが、最後のオチで、なんか微妙に説明がついたような。
    • アミガサダケが宿主の無意識から過去の情報を取り出すが、そんな情報が無意識下にあるとは思えない。
    • <黒い口>とか、SFというよりもむしろファンタジーだろ。
    • 展開が唐突。まあ、現実ってそんなもんなのかもしれないけれど。伏線も回収してるんだかしてないんだか。リリヨーとか最後に思い出したように再登場したけど、これでいいのか? 目的があって来たけど、うまくいきませんでしたー。まあ、よくあることですね。

僕は別に好きではないし、名作だとも思わない。しかし、それはあくまでも僕の個人的な好みであって、発表された時期などを考えると正当な評価とは言えないだろう。この小説が与えた影響というのを知るためには、読んでおいても悪くないのかもしれん。
ってかんじ。